福岡労務経営事務所 代表 福岡 英一
前号に続いて、日本で話題の不払い残業の問題を取り上げました。
こんな巨額な未払いがあるとは、どうして!!
日本の、労働者の低い権利意識に甘えた経営者の順法意識の低さが見えます。
◆不払残業代は116億円
全国の労働基準監督署が、平成21年4月から平成22年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が不払になっているとして労働基準法違反で是正指導された事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況が厚生労働省から発表されました。
これによりますと、是正企業数は1,221企業、支払われた割増賃金合計額116億298万円、対象労働者数11万1,889人、割増賃金の平均額は1企業当たり950万円、1人当たり10万円でした。
◆12億円以上支払った企業も
1企業当たり1,000万円以上の割増賃金を支払った企業は162企業ありました(全体の13.3%)。これらの企業が支払った金額は85億1,174万円で全体の73.4%を占めています。
1企業での最高支払額は、12億4,206万円(飲食店)で、次いで11億561万円(銀行・信託業)、5億3,913万円(病院)の順でした。
◆不払い賃金の時効は2年、裁判所により同一額の付加金命令も
賃金が正当な額でなく不払い分がある場合、時効は「2年」とされています(労働基準法115条)。
さらに、労働基準法114条では「裁判所は、解雇予告手当、休業手当、割増賃金、年次有給休暇中の賃金を使用者が支払わない場合は、未払金の他、これと同一額の付加金の支払いを命ずることができる」としており、不払賃金を2倍にして支給しなければいけないことにもなりかねません。
問題が起きる前に、人事制度や賃金制度を見直し、労働トラブルが起こることのないように努めたいものです。
福岡 英一
福岡労務経営事務所 代表 社会保険労務士 (奈良県在住)
-

- 就業規則、人事・賃金制度、退職金・企業年金コンサル、生命保険活用・見直し。
京都大学卒業と同時に大手生保会社に勤務。CFP資格を取得し、ファイナンシャル・プランナーとしての活動をする中で、社会保険労務士資格に興味を持ち取得。
セミナー講師(ここが危ない人事労務管理、退職金・企業年金制度改革について、知ってトクする年金セミナーなど)多数。
◇社会保険労務士(奈良県社会保険労務士会所属)
◇CFP(日本FP協会認定)
◇1級ファイナンシャル・プランニング技能士
◇DC(企業保険総合)プランナー
◇現在:福岡労務経営事務所 代表
関西ファイナンシャル・プランニング 代表




